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リウマチの部屋

宇野整形外科リウマチ教室 平成28年11月12日

方針イメージ

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日 時  平成28年11月12日(土)
場 所  宇野整形外科 待合室
演 題  「関節リウマチの薬物治療」
      座 長  宇野整形外科 宇野雅久
      講 師  宇野整形外科 大場満成


座長開会のあいさつ

 今日はお忙しい中、ご出席くださいまして有難うございます。
今回のリウマチ教室は、当院副院長、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医であります大場満成先生に、「リウマチの薬物療法」というタイトルで講演頂きます。その後、皆様からのご質問、ご相談を受けたいと思います。普段の診察時には聞きにくいこと、あるいは難しくて理解できないような事等、なんでもお気軽にご発言ください。活発な討論をお願い致します。そして今回の会が、皆様の今後のリウマチ治療の参考になれば何よりであります。

                                    宇野整形外科 宇野雅久

1. はじめに

日本でメトトレキサート(MTX)(csDMARD;従来型抗リウマチ薬)が、関節リウマチの治療薬として使用できるようになったのは、平成11年(1999年)のことである。また、平成15年(2003年)には、レミケード(IFX;インフリキシマブ)が、バイオ(bDMARD;生物学的製剤)としてはじめて、リウマチの治療薬として承認された。これらにより、関節リウマチの治療成績は飛躍的に向上した。新しい薬物を適正に使用するために、あるいは薬物治療自体の標準化を目指して、いくつかのガイドライン(指針)やリコメンデーション(推奨)が作成された。

2. 2010ACR/EULAR 関節リウマチ分類基準(平成22年)


1つ以上の関節で滑膜炎を認める。
滑膜炎が他の疾患では説明がつかない場合。
合計6点以上で関節リウマチと診断できる。
  

3. 目標達成に向けた治療(Treat to Target ;T2T)のリコメンデーション(平成22年)

1. 関節リウマチ治療の目標はまず臨床的寛解を達成することである。
2. 臨床的寛解とは、疾患活動性による臨床症状・徴候が消失した状態と定義する。
3. 寛解を明確な治療目標とすべきであるが、現時点では、進行した患者や長期罹患患者は、低疾患活動性が当面の目標となり得る。
4. 治療目標が達成されるまで、薬物療法は少なくとも3ヵ月ごとに 見直すべきである。
5. 疾患活動性の評価は、中〜高疾患活動性の患者では毎月、低疾患活動性または寛解が維持されている患者では3〜6ヵ月ごとに、定期的に実施し記録しなければならない。
6. 日常診療における治療方針の決定には関節所見を含む総合的疾患活動性指標を用いて評価する必要がある。
7. 治療方針の決定には、総合的疾患活動性の評価に加えて関節破壊などの構造的変化及び身体機能障害もあわせて考慮すべきである。
8. 設定した治療目標は、疾病の全経過を通じて維持すべきである。
9. 疾患活動性指標の選択や治療目標の設定には、合併症、患者要因、薬剤関連リスクを考慮する。  10. 患者は、リウマチ医の指導のもとに、「目標達成に向けた治療(T2T)」について適切に説明を受けるべきである。        

4.関節リウマチ診療ガイドライン2014 治療アルゴリズム(平成26年)

・csDMARD(従来型抗リウマチ薬)の治療は、診断が下ればできるだけ早く始めるべきである。
・すべての患者において、寛解あるいは低疾患活動性を目指して治療すべきである。 
・高疾患活動性の患者では、患者評価を頻回(1〜3ヵ月ごと)に行うべきである。
(もし治療開始後3ヵ月以内に改善がみられない場合、または3ヵ月以内に治療目標が達成できない場合は、治療を再考すべきである。)
・MTXは、活動性RA患者に対する最初の治療手段の1つに含めるべきである。
・MTXが禁忌であるか、早期に使えなくなった場合は、サラゾスルファピリジンなどの他のcsDMARDを最初の治療手段の1つに含めるべきである。
(ただし、レフルノミドは日本人における副作用発現のリスクを十分に勘案し、慎重に投与する。)
・DMARD未使用の患者では、ステロイド使用の有無にかかわらず、csDMARDを単剤で開始すべきである。
(有効性が得られない場合は他のcsDMARDを追加して併用療法を考慮する。)
・低用量ステロイドは、1つまたはそれ以上のcsDMARDと併用していれば、最初の治療手段の1つとして治療開始後6ヵ月までは考慮すべきである。
(ただし、臨床的に可能なかぎり早期に減量すべきである。)
・最初のcsDMARD治療により治療目標が達成できない場合、予後不良因子がなければ他のcsDMARDへの変更を考慮し、予後不良因子があれば、bDMARD(生物学的製剤)の追加併用を考慮すべきである。
・MTX単独または他のcsDMARDによる治療戦略で十分な効果が得られない患者に対しては、ステロイド使用にかかわらず、bDMARD(TNF阻害薬、アバタセプト、トシリズマブ)をMTXとともに開始すべきである。
・最初のbDMARDが奏功しない場合は、他のbDMARDを使うべきである。
(最初のTNF阻害薬が奏功しない場合は、別のTNF阻害薬または作用機序の異なるbDMARDを使ってもよい。)
・トファシチニブはbDMARD治療が奏功しない場合の選択肢としてもよい。
・bDMARD投与中の患者でステロイドを減量後も寛解が維持できていれば、特にcsDMARD併用例の場合にはbDMARDの減量を考慮できる。
・長期間寛解が維持できれば、患者と医師の意思共有のうえでcsDMARDの投与量を慎重に減量することを考慮してよい。
・治療を再考する場合に、疾患活動性以外の要素、構造的破壊の進行、合併症、安全性に関わる問題なども考慮すべきである。

5. 当院での薬物治療および治療成績











当院では現在7種類のバイオを使用し治療している。
 インフリキシマブ(レミケード)
 エタネルセプト(エンブレル)
 アダリムマブ(ヒュミラ)
 アバタセプト(オレンシア)
 トシリズマブ(アクテムラ)
 ゴリムマブ(シンポニー)
 セルトリズマブ ペゴル(シムジア)


                                   宇野整形外科 大場満成


Uno orthopedic clinic医療法人三志会 宇野整形外科

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