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(社)日本リウマチ友の会 愛知県支部 西三河委員 澁谷 薫 |
恒例の宇野整形外科リウマチ教室、今年は今後認可が予想される「リウマチ新薬」を
中心に院長先生からお話いただきました。
資料を基に抗リウマチ薬全般、「抗サイトカイン療法」に使われる生物製剤(エンブレル、
レミケード)のお話をしていただきました。聞きなれない言葉が沢山出てきましたが、関節
に炎症を起こす「悪玉サイトカイン」に悪さが出来ないようしてしまう。
こんなお薬を今後利用できるようになる、毎日痛みと同居しているリウマチ患者にとって
大いに期待できることはご参加いただいた皆様にご理解いただけたことと思います。
リウマチ友の会愛知支部長の鎌田さんも加わって、今回もリウマチ教室が終わった後、
患者さん同士のお話が盛り上がった会でした。
院長先生始め宇野整形外科スタッフの皆様のご協力のもと、今後もリウマチ患者さんに
少しでもお役立て出来ればと思っています。
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リウマチ教室 要旨 |
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関節リウマチの新しい薬物療法 |
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1・抗リウマチ薬の種類 |
注射金剤(シオゾール) |
オーラノフィン(リドーラ) |
サラゾスルファピリジン(アザルフィジン) |
D-ペニシラミン(メタルカプターゼ) |
メソトレキセート(リウマトレックス) |
ロベンザリット(カルフェニール) |
ブシラミン(リマチル) |
ミゾリビン(ブレディニン) |
アクタリット(オークル、モーバー) |
レフルノマイド(アラバ) |
インフリキシマブ(レミケード) |
エタネルセプト(エンブレル) |
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2・抗サイトカイン療法とは |
近年、関節リウマチの炎症には何種類かの活性因子(サイトカイン)が深く関わっている |
ことがわかってきました。その中でもとくに重要なのがTNF-αやIL-1,IL-6というサイトカ |
インで、これらのサイトカインの働きを抑える薬が作られています。 |
上記のレミケードとエンブレルが抗サイトカイン薬で、欧米では既に発売され関節リウマ |
チの症状に劇的な効果があることが明らかになっています。近い将来日本でも発売予定 |
です。しかしこれで完全に治癒するわけではなく、痛みや病気の進行がいったん治まって |
も投薬を中止すると、また症状が戻ってしまいます。また長期間使用した場合の副作用 |
の問題もあり、今後さらなる研究が望まれます。 |
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3・レミケードとエンブレルの比較 |
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レミケード |
エンブレル |
作用機序 |
TNF-αの作用抑制 |
TNF-αの作用抑制 |
投与方法 |
点滴静注(2時間)
2週後・4週後
以後1回/2ヶ月 |
皮下注
2回/週
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効果 症状改善
CRP改善 |
1〜2週後
1週後 |
4〜12週後
2〜4週後 |
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4・抗リウマチ薬の薬剤費(米国) |
薬剤 |
投与量 |
薬剤費(US$) |
サラゾスルファピリジン |
1000r×2−3回 |
509-763 |
メソトレキセート |
7.5-20r/週 |
697-1,859 |
レフルノマイド |
20r/日 |
2,938 |
エタネルセプト |
25r/週2回 |
15,436 |
レミケード〈+MTX〉 |
3-10r:8週毎 |
13,940-30,287 |
注射金剤 |
25-50r:2-4週毎 |
198 |
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5・先端医療とは |
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抗サイトカイン療法 |
「関節リウマチ」に関係のある活性因子(サイトカイン)という
物質を抑える治療法。 |
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遺伝子治療 |
滑膜の増殖を抑制する因子を作り出す遺伝子を、滑膜細胞に
植え込むといった治療法。 |
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再生医療 |
軟骨が破壊された部分に、これから軟骨になる細胞を植えて、
軟骨を再生させる治療法。 |
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ゲノム創薬 |
疾患に関連するDNAを解析して薬を開発したり、個人に合った
薬を使用したりする治療法。 |
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手術支援ロボットシステム |
手術の計画、進行などに、コンピューター解析を導入し、より
安全で確実な手術を行うことを支援する機器。 |
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